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管理職× 中堅行員 キャリアビジョン
スタートアップ企業とのシナジーを創出する「いわぎん未来投資」

阿部 ⼀輝
いわぎん未来投資
ディレクター
2014年入行。岩泉支店での渉外・投資信託担当、中の橋視点での法人融資担当、「いわぎん事業創造キャピタル」への出向を経て。2023年より現職。
⻄⼭ 忍
いわぎん未来投資
代表取締役
大手信託銀行を経て2013年入行。本店営業部、総合企画部、DX Lab、フロンティア事業室を経た後、2023年に「いわぎん未来投資」を設立。代表取締役就任。
吉岡 ⼤輔
いわぎん未来投資
ディレクター
2017年入行。八戸営業部での法人融資・預かり資産担当、大船渡支店での法人融資担当、マネーフォワード社でのトレーニーを経て、2024年より現職。

金融サービス領域の深化と
挑戦を目的とした新会社設立

西山
西山
正確にいうと私たちは現在、「岩手銀行」ではなく、その関連グループ会社である「いわぎん未来投資」の所属ということになっていますよね。
阿部
阿部
そうですね。当社のことを簡単に説明すると「これから成長しそうな新しい会社」に対して、投資する会社です。将来的に「一緒に組めば、何か面白いことをやれそうだな」と見込んだ企業が運営していくための資金を出し、将来会社が成長したときにリターンを得たり、「この先、事業で連携したりしようね」と、仲良くなったりすることを目的としています。
吉岡
吉岡
投資先であるスタートアップ企業は首都圏が中心で、私も阿部さんも今は東京に住んでいる状態です。最初こそ盛岡と東京を往復していましたけど、代表の西山さんが「面倒だろうから東京に社宅確保したよ」とおっしゃってくれて。
西山
西山
「働きやすい環境づくり」はチームビルディングの基本ですから(笑)。そういえばふたりはどういういきさつで「いわぎん未来投資」へ所属することになったんでしたっけ? 当行の場合、新組織や新規プロジェクトには「やりたい」といえば誰もが参加できる、「手上げ」という制度がありますが…。
吉岡
吉岡
私はまさに「手上げ」で参加した口でした。もともとスタートアップ界隈に興味があって、Youtubeでもベンチャーキャピタル(VC/スタートアップ企業へファンドから投資を行う)のチャンネルを視聴していたんです。そんなときに当社の立ち上げの話が聞こえてきて「新しいビジネスモデルを自分の手で組むことができるかもしれない!」と、ワクワクして参加を決めました。
阿部
阿部
私の場合は当社の前に、岩手県内で投資事業を行っている「いわぎん事業創造キャピタル」というグループ会社や、シンクタンクである「日本生産性本部」、中小企業の再生をサポートする「岩手県中小企業活性化協議会」など多くの企業に出向していたという経緯を買われ、声をかけていただいたという感じでしたね。
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見極めが難しい
「スタートアップ企業の将来性」

西山
西山
さて、私たちの仕事は「将来性のあるスタートアップ企業」を見つけるところから始まるわけですが、ふたりは将来性のあるスタートアップ企業を、どうやって探していますか?ひと口に「将来性」といっても、見極めてるのはなかなか難しいですよね。
吉岡
吉岡
私はついこの前までマネーフォワード社のVC部門にトレーニーとして出向していて、当社には先日着任したばかりなのですが、投資先選定はこれからの課題ですね。今はスタートアップ関連のイベントに積極的に参加して、情報交換することを大事にしています。
阿部
阿部
吉岡さんはトレーニー先がITソリューションを得意とするマネーフォワード社だったから、情報ソースがどちらかというとIT寄りですよね。私の場合は当社のような「地銀系VC」の知人が多いので、例えば「企業年金制度を支援している企業」とか、地方の課題解決を得意とするようなスタートアップ企業の情報が集まる傾向があります。
西山
西山
スタートアップ企業は創設から間もないため、どうしても「実績に乏しい」という弱点があります。また立ち上げ時に資金を使っているせいで、最初はどこも大きく赤字になってしまうんですよね。そこに将来性を見出すには、ひとつの側面からでは判断ができない。「では根拠は何か」といえば、やはり経営者との対話や同業者との情報交換になってきます。ふたりとも、引き続き積極的なコミュニケーションをよろしくお願いします。
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常識を一変させる可能性を持った
「スタートアップ企業の新技術」

西山
西山
おふたりはこの仕事のどんなところにやりがいを感じていますか? もとは私も含め全員が銀行の行員だったわけですけど、今はかつてとまったく違う環境の中で仕事をしていますよね。
吉岡
吉岡
私は自分が見つけた投資先と一緒に、新しいビジネスを立ち上げるチャンスがある点にやりがいを覚えています。もしかしたらこれまでの常識がひっくり返ってしまうような新技術が生まれたり、「なぜ誰もそこに気付かなかったんだろう」というスキームを生み出したり。そこに大きなロマンを感じています。
阿部
阿部
確かにロマンがありますよね!さらにいうと、私の場合は各地のスタートアップ企業やその支援者など「銀行員をしていたら、おそらく出会えなかった人たち」と接する機会がとても貴重であると感じています。「奈良県ではこんな取り組みで成功した事例がある」といった、興味深いトピックを教えていただいたり、「別業種からは今の日本の経済がこう見えているのか」という気づきがあったり。
西山
西山
何より「協働」によって、プロジェクトの規模が大きくなるという点に可能性を感じます。これまでは足元で小さくやっていたものが地域全体へ波及し、それが東北、東日本、日本全国と広がって、果ては世界まで席巻するようなものに成長する可能性がある。そのためには目先の利益だけでなく、どんな可能性が眠っているのかという部分にも目くばせが必要です。それこそがまさに「スタートアップ企業の将来性」であるといえるのではないでしょうか。
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「いわぎん未来投資」で
実現したいこととは?

阿部
阿部
実は今後やってみたいことがひとつあって。
西山
西山
おや、それはどんなことですか?
阿部
阿部
スタートアップ企業に「取締役」として岩手銀行グループから人材を派遣することです。多くのスタートアップ企業では、株式を多く持っているVCから取締役を受け入れているケースが多いんです。「単なる投資にとどまらず、スタートアップ企業の意思決定の場に、企業と同じリスクを持って参加する」ということはひとつの覚悟でもありますし、企業の成長にも大きな役割を果たすケースが多いと聞いています。
吉岡
吉岡
阿部さんは中小企業診断士の資格も取得していますし、適役かもしれませんね。
阿部
阿部
でもまだ会計に関する知識をもっと身に着けなければと思っています。今考えているのは会計大学院での勉強。今まで以上に経営に関する専門性を高めていきたいです。
吉岡
吉岡
私はまず投資先を決めることが目標です。例えば事業におけるアナログ手順をデジタル化する「DX化」を得意とする企業はスタートアップにも多いですが、これは地方の課題にも多いに役立つ技術です。こうした企業とのリレーションを構築し、ひいては当行の営業エリアでも事業展開してもらうことができたらと思っています。
西山
西山
IT分野に限らず、スタートアップ企業の技術力で解決できる地方の課題はたくさんありますからね。AIを活用したサービスやカーボンニュートラル、自動運転技術など、新しいソリューションが次々生まれつつある。そうしたサービスを将来的には我々の地域でも展開できるよう、私たちは引き続き連携を強めていきましょう。

※掲載の仕事内容、役職、所属は取材当時のものです。

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