Photo

地域循環型社会実現への
取組み
STORY02

OUTLINE

manordaいわて×地域循環型社会
「デザインとイノベーションで新たな価値を生み出す」というコンセプトを掲げ、地域の持続的発展を目指して設立された「manordaいわて」。
従来の銀行が持つ金融仲介機能に商社機能を追加し、岩手銀行グループだけではなく、プロフェッショナル人材や民間企業、行政と協働して新たなビジネスモデルに取り組んでいる。
そんな注目の新事業で2人のメンバーが、挑んだ2つのプロジェクトとは。

PROFILE

manordaいわて/ソーシャルインパクト事業部アソシエイト
⼭影 峻⽮
2014年入行。営業店での融資渉外業務を経て、2021年「地域デザインラボさいたま」出向の後、2022年4月より「manordaいわて」着任。ソーシャルインパクト事業担当として、企画立案から事業フロー策定、実装まで幅広い領域で活躍中。
※掲載の仕事内容、役職、所属は取材当時のものです。
⼭影 峻⽮
manordaいわて/地域商社事業部アソシエイト
藤原 百恵
2018年入行。営業店では融資渉外担当として、融資のアドバイスや、資金運用の提案を行う。2023年より「manordaいわて」出向。現在は地域活性化を目的としたイベントの企画運営を担当するほか、地元事業者の販路拡大サポートを行う。
※掲載の仕事内容、役職、所属は取材当時のものです。
藤原 百恵

開拓

企業の“困りごと”をITで解決する
手法をゼロから創り出す

山影は一関市における「一関企業DX推進事業」を、まったくのゼロベースからスタートさせた。この事業は一関市内の企業の“DX化”。すなわち業務をアナログからデジタルへと移行し、省力化・効率化を図り、業態転換による企業の持続可能性を高めること、DX企業を創出することを目的としたものだ。DX化にはITスキルが必須だが、人材は地域おこし協力隊から募ることになっていた。ちなみに山影自身は文系出身で、もともとITは不案内だ。「この事業では『“地域が抱えるDX化”のニーズを掘り起こす』『IT人材を集める』『ニーズを整理し人材とマッチングする』という3つの大仕事があった上、私自身も最低限のITリテラシーを身に着ける必要がありました。例えば応募者との面談で“バックエンドでPythonを使って…”とか言われても、私が理解できないのでは話にならない。まずはそこからのスタートだったんです」。
ニーズの掘り起こしは山影自身が1年かけて行った。市内約50件の企業を一軒ずつ訪ね歩いては事業内容を説明し、ひたすら“DX化で解決できる困りごと”を聞き出す日々。そもそも企業側も困りごとの原因をはっきりとは把握していないため、「どこをどうDX化するのか」を整理しつつ何度もヒアリングを重ねた。IT人材の募集には、最終的に5名の地域おこし協力隊が集まった。が、正直言えばあと5人ほど増員したいのが本音だ。「とはいえIT人材は今、どこも欲しがっているので争奪戦です。今後は“自分のやりたい仕事が体現できる”とか“自然に癒されながら働く”など、プラスαを訴求する必要があるでしょうね」。公民連携事業として大きな成果が期待される本案件だが「道はまだ半ば」と山影。今後のさらなる飛躍に期待を寄せている様子だ。

Photo Photo

周知

一時的なトピックに留まらない
「みんなの定番」を目指して

一方藤原は、2021年に大成功を収めた「MOYANE(モヤーネ)」プロジェクトの第2弾を、2023年に担当した。もともとこのプロジェクトは盛岡市の老舗の和菓子などとともにパッケージをリブランディングし、新たな土産ブランドとして発信するというもの。営業店や岩手アートディレクターズクラブとも連携して取り組んだ大規模な施策だ。
第2弾では既存5商品に加え、お菓子4商品、工芸品1商品を加えた計5商品がラインナップに加わった。中でも藤原が特に力を注いだのが、商品のお披露目展示となる「MOYANE展2024」(2024年8月開催)だ。複合商業施設「monaka」を会場に、2階広場でブランドができるまでの過程や、計10商品のデザインとブランディングの経緯を説明するパネルを展示。1階フロアでは商品販売を行った。「前回のMOYANE展が“周知が限定的だった”点に課題があったため、今回はできるだけ多様な属性の方が目にする場所、という視点で会場選定をしました。展示と販売の場所をあえてフロアで分けたのは、館内での回遊性を高めるため。monakaさんの売り上げにも多少貢献できたらいいな、という思いもありました」。展示の効果か、MOYANEを販売する店舗中、monakaの売り上げは群を抜いて高く、展示終了後も商品販売を継続しているという。MOYANEはアクションのたびに手ごたえを感じさせるプロジェクトだ。話題性もありメディアの取材も多い。しかしやはり一般認知度に関しては「まだまだ課題があります」と藤原はいう。「ただ発信するだけでは“興味のある人にしか見てもらえない”ということですね。“お土産を通じて盛岡の風土、文化を広め、盛岡のお土産ならMOYANEを”と、誰もが思う。そんなブランドに育てていきたいと思っています」。

Photo Photo

展望

若い世代との協働を見据え
自由なスタイルで地域活性を

地域活性化と産業の創出を目指し設立された「manordaいわて」。その強みは「岩手銀行」のブランドとネットワークを後ろ盾にしながら、自由なアプローチができることだ。山影はその意義を次のように話す。「例えば私たちは地域目線で事業を行うので、銀行取引がないところとも取り引きしますが、その際に資金的援助が必要な場合は営業店にトスアップできる。一方、銀行としてのサポートに限界があるケースでは、私たちにスイッチするケースもある。こうした取り組みを通じ、地域を活性化させていきたいですね」。 他方、藤原は「未来の岩手を担う世代」との協働に可能性を見ている様子だ。「最近、地元の学生たちと会う機会が多いのですが、若い人ほど、manordaいわてのような“シームレスな働き方”に親和性がある気がします。勉強熱心な子が多いし、何よりアンテナ感度が高い。ここから何か新しい事業が誕生しそうな予感があります」。「manordaいわて」の次なる一手が楽しみだ。

Photo Photo

OTHER STORY

Page TOP