トップメッセージ

代表取締役頭取

 平素より、岩手銀行をご利用、お引き立ていただき、誠にありがとうございます。
 当行グループの主要な営業基盤である岩手県では、社会減による人口流出や全国比相対的に高い後継者不在率などの従来からの課題に加え、継続的な物価上昇や働き手不足など、喫緊の課題に直面しています。一方で、全体として企業による価格転嫁や賃上げの動きもみられているほか、県央部ではライフサイエンスなどのベンチャー企業、県南部ではモノづくり産業、県北部では地域エネルギー、沿岸部ではコンテナ物流といった成長基盤が徐々に拡大するなど、経済は成長軌道にあります。
 こうしたなか、10年後の長期ビジョン達成に向けた第一歩として、第21次中期経営計画をスタートさせ、初年度となる2023年度は主要計数目標のすべてで計画を上回る結果となりました。前中計で取り組んだ営業体制の再構築やコスト構造改革などの収益体質強化とコンサル・地域商社機能の拡充などの事業領域拡大の成果が表れてきています。また、2023年度は、株価や資本コストを意識した経営の実践への足掛かりとして、PBRの現状や改善に向けた取組みを整理・公表しました。さらに、株主や機関投資家、個人投資家との対話強化にも取り組み、新たに個人投資家向けWEB説明会や決算発表の英訳配信も開始しています。
 足元では日銀のマイナス金利政策が終了し、「金利ある世界」の到来により、地域金融機関の本来業務である金融仲介機能が重みを増してきています。当行では4月、17年ぶりに預金金利の引上げを行っており、今後も市場環境の変化に適切に対応していくとともに、金利のない環境下で磨いてきた非金融ビジネスと連動させ、お取引先の課題解決を通じた付加価値の提供に努めていきます。
 当行グループは失敗を恐れずに常に挑戦する気概を持ち、「価値共創カンパニー」として地域の未来を地域の皆さまとともに創ってまいりますので、一層のご愛顧を賜りますようお願い申しあげます。

代表取締役頭取
岩山徹