お客さま本位の業務運営に関する取組方針

株式会社岩手銀行(以下「当行」といいます。)は、「地域社会の発展に貢献する」、「健全経営に徹する」という経営理念に基づき、お客さまから信頼され選ばれ続ける銀行となるために、金融商品にかかる業務運営について、以下の取組方針を定め、「お客さま本位の業務運営」を実践してまいります。
この方針は、より良い業務運営を実現するために定期的に取組状況を検証したうえで改善に向けた見直しを行い、「お客さま本位の業務運営」の徹底を目指します。

  1. お客さまの最善の利益の追求
    当行は、金融商品にかかる高度の専門性や職業倫理を身につけるよう努めるとともに、お客さまに対して誠実・公正に業務を遂行し、「お客さま本位の業務運営」が企業文化として定着するよう努めます。
    また、以下の施策を通じてお客さまの最善の利益の追求に努めます。
    1. (1)「高度の専門性と職業倫理」や「誠実・公正」の確保に関しては、次の取組みを実施します。
      1. 当行は、「経営理念」、「岩手銀行行動憲章」、「行職員の行動規範」および「コンプライアンス規程」を定め、行職員の指針としているほか、コンプライアンスを最高の道徳律として、法令諸規則や社会的規範を遵守することはもとより高い倫理観をもって誠実・公正に業務を遂行します。
      2. 当行は、各部店単位で毎月特定のテーマを取上げ「コンプラインス研修会」を実施するほか、毎月初には日常の業務や生活等について自省を促す「反省の日」を設けコンプライアンスの徹底および倫理観の醸成に取組みます。
    2. (2)当行は、企業・IR情報のほか、「お客さまの最善の利益」の実現状況を次の指標を用いて検証し、当行のホームページ(以下「HP」といいます。)に本取組方針に基づく「取組状況」として公表します。
      1. 投資信託運用損益別顧客比率
      2. 投資信託預り残高上位銘柄のコスト・リターン
      3. 投資信託預り残高上位銘柄のリスク・リターン
      4. 外貨建保険運用評価別顧客比率
      5. 外貨建保険銘柄別コスト・リターン
      6. 積立投資信託の買付金額および契約件数
      7. NISA利用残高および利用者数
      8. 投資信託および保険商品のラインナップ
      9. FP2級有資格者数
      10. アフターフォローの実施状況
      11. その他「お客さまの最善の利益」に資する取組み
        • ①~⑤は、金融庁が公表する定義に従い算出する「投資信託および外貨建保険の販売会社における比較可能な共通KPI」です。
    3. (3)当行は、人生100年時代における資産運用ニーズに的確かつ誠実にお応えし、お客さまの中長期の安定的な資産形成とライフプランの実現を目指します。そうすることが、「お客さまの最善の利益」に適うものであると同時に「当行の信頼獲得や地域社会の発展」に繋がる共通価値であると考えるからです。当行は、お客さまとの共通価値を創造するとともに、預り資産残高の積上げや資産形成層の裾野拡大を通じて安定的な収益基盤を構築するために、次に掲げる取組みを実践します。
      1. お客さまの運用ニーズにお応えするために厳選された商品ラインナップの構築および新たな金融商品・サービスの導入、見直しに努めます。
      2. 投資の成功体験やお客さまの中長期の資産形成をお手伝いするため、長期・積立・分散投資のご提案に努めます。
      3. 税制面から優遇される少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)のご提案に努めます。
      4. 保険商品については保障性保険のほかに、保険の機能を活用して、将来に備える(年金)、遺す(相続)、贈る(贈与)といったニーズに適切にお応えできるようお客さまのご意向に沿ったご提案に努めます。
      5. お客さまの利便性向上のほか、ご来店が難しい現役世代や若年層の「貯蓄から資産形成へ」の流れを支援するためにWebを通じた申込チャネルの拡充に努めます。
      6. 対面でのお取引にかかる帳票類の電子化等(ペーパーレス・印鑑レス)を推進し、お客さまのお手続きのご負担を軽減するとともに、環境に配慮した取組みに努めます。
    4. (4)一方、「お客さまの最善の利益」にそぐわないと考える次のような行為についてモニタリングを行うとともに、牽制・監督を行う内部管理態勢を整備します。
      1. お客さまのご意向や適合性(金融知識、投資経験、財産の状況、投資目的をいいます。以下同じ。)に沿わない勧誘販売行為
      2. 販売する金融商品の商品性、リスク、手数料、重要事項等に関してお客さまに理解されるために必要な方法および程度による説明が不十分な状況
      3. 当行担当者が主導する短期売買や頻繁な乗換え勧誘行為
      4. 経済合理性が認められない取引(同一アセットクラスの乗換え等)
      5. お客さまに対する誠実公正義務に反する行為(手数料の高い商品への誘導等)
      6. 法令諸規則に反する行為
  2. 利益相反の適切な管理
    当行は、お客さまの利益を不当に害するおそれのある取引を特定して分類し、対象取引の管理方法、管理体制、管理の対象となる会社の範囲を明確にしたうえで、お客さまの利益が不当に害されることのないよう「利益相反管理方針」を定め、その概要を当行HPに掲載します。また、以下の施策を通じて利益相反の適切な管理に努めます。
    1. (1)当行は、利益相反の管理状況について定期的に報告・検証する会議体を設けて適切に管理します。
    2. (2)当行は、同一グループ内に投資信託その他金融商品の運用会社や提供会社がないため、お客さまへの金融商品の勧誘販売に際して、同一グループ内の利益を優先するなど、お客さまの利益を不当に害するような利益相反は発生しません。
  3. 手数料等の明確化
    当行は、お客さまのご意向に沿った金融商品を適切なコストで提供する観点から、各種手数料の透明性向上を図るとともに、お客さま目線で分かりやすい手数料体系の情報開示に努めます。なお、お客さまがご負担する手数料その他費用とその設定に関する考え方は、以下のとおりです。
    1. (1)お客さまがご負担する手数料その他費用は、次に掲げる人件費、事務コスト、システムコスト、インフラ整備等にかかる費用を総合的に勘案して設定します。なお、お客さまのご負担を少しでも軽減できるように各種合理化・効率化を進めるとともに、サービスの向上に努めます。
      1. 商品ラインナップの構築や各種提案資料の作成
      2. お客さまへのコンサルティングサービス
      3. 商品内容、リスク、手数料および重要事項等の説明
      4. 金融商品販売後の取引管理やアフターケア
      5. お客さまへお渡しする交付書面の作成や送付
      6. 知識習得のための行職員に対する教育
      7. 円滑な取引執行のためのシステム構築・維持管理
      8. 口座開設や取引に伴う各種事務手続き
    2. (2)お客さまがご負担する手数料その他費用の詳細につきましては、金融商品を販売する前にあらかじめお渡しする契約締結前交付書面、目論見書(目論見書補完書面)、商品概要明示資料、設計書、商品パンフレット等でご確認いただくことができます。
    3. (3)保険商品のように、お客さまに直接ご負担いただく費用ではありませんが、当行が商品提供会社より代理店としての手数料を受取る場合や、投資信託の信託報酬のように運用期間中に信託財産から差引かれた費用を受取る場合もあります。また、債券取引のように手数料を頂戴しませんが売値と買値に価格差(スプレッド)がある場合もあります。
    4. (4)インターネット投資信託取引サービスをご利用した場合の購入手数料は、対面で行う場合の半額(投資信託定時定額購入サービスを除きます。)とします。また、同一の株価指数に連動する投資信託で信託報酬率が異なるものがあります。なお、投資信託取引にかかるお客さまがご負担する手数料その他費用につきましては当行HPで確認することができるほか、対面でのお取引に際しては、当行取扱商品にかかる手数料その他費用の比較提案に努めます。
  4. 重要な情報の分かりやすい提供
    当行は、お客さまに最適な金融商品をご選択いただけるよう、ご提案する金融商品の特性に応じて、適切かつ十分な情報提供に努めます。
    また、以下の施策を通じて「重要な情報」の分かりやすい提供に努めます。
    1. (1)当行は、お客さまが投資性金融商品(元本欠損リスクのある金融商品をいいます。以下同じ。)の商品選択をされる際に、次に掲げる「重要な情報」を記載した資料(以下「重要情報シート」といいます。)を使用してお客さまの商品選択に資する情報提供に努めます。
      1. 基本的な商品の仕組み、リスクとリターン、取引条件
      2. 商品組成に携わる金融事業者(投資信託委託会社、保険会社、委託金融商品取引業者等)が販売対象として想定するお客さまの属性
      3. お客さまのライフプランやご意向ならびに適合性に照らして提案商品がふさわしいと判断する理由
      4. お客さまとの利益相反の可能性
      5. 当行取扱商品の中で同種のアセットクラス(同じようなリスク・リターン特性を持つ資産の種類)を運用対象とする商品との比較
      6. 複数の金融商品・サービスをパッケージにした次に掲げる商品については当行取扱商品の中で個別に購入することが可能であるか否か、パッケージ化する場合としない場合の比較
        1. 外貨建一時払保険(外国債券と掛け捨ての死亡保険)
        2. 仕組債(店頭デリバティブ取引と債券)
        3. ファンド・オブ・ファンズ(複数の投資信託を組入れた投資信託)
        4. ファンドラップ(複数の投資信託によるポートフォリオ運用を行う投資一任契約)
        5. その他パッケージ商品
        • 「重要情報シート」は当行の態勢整備ができたものから順次提供していきます。
    2. (2)お客さまの金融知識や投資経験を踏まえて明確で分かりやすく誤解を招くことのない誠実な内容の情報提供に努めます。
    3. (3)仕組みが複雑またはリスクの高い金融商品の勧誘販売を行うに際しては、リスクとリターンの関係など基本的な仕組みを含め、より分かりやすく丁寧な情報提供に努めます。
    4. (4)お客さまの投資判断に重要な影響を及ぼす情報については、特にご留意していただけるよう資料の表示方法を工夫するほか、分かりやすく丁寧な説明に努めます。
  5. お客さまにふさわしいサービスの提供
    当行はお客さまのライフプランやご意向ならびに適合性などの情報を適時適切に把握するとともに、以下の施策を通じてお客さまにふさわしい金融商品・サービスの提供に努めます。
    1. (1)当行は、お客さまに投資性金融商品のご提案をするまえに、「お客さまご相談シート(顧客カード)」を用いてお客さまの適合性(金融知識、投資経験、財産の状況、投資目的)やご職業、収入形態、家族構成、取引動機ならびに投資方針(投資スタンス、資金性格、運用期間)等についてヒアリングをさせていただきます。そのうえで次のような点に配慮して投資性金融商品のご提案に努めます。
      1. お客さまのライフプラン等を踏まえたうえで目標資産額や安全資産と投資性資産の適切な割合
      2. 当行取扱商品の中からお客さまにとって何が最適の商品・サービスであるか手数料水準を含め類似商品や代替商品ならびにパッケージ商品との比較
    2. (2)当行は、金融商品・サービスの販売後においても、お客さまに安心してお取引を継続していただくために、次のような事由が発生した場合などは、お客さまに寄り添った適時適切なアフターケアの充実に努めます。
      1. ご高齢のお客さまや評価損を抱えているお客さまなど一定の条件に該当した場合
      2. お客さまの運用状況や相場環境の急変など投資判断に重要な影響を及ぼす事由が発生した場合
      3. 投資性金融商品を保有するお客さまで、一定期間ご連絡をしていない場合
    3. (3)当行は金融商品の組成に携わる金融事業者(以下「組成業者」といいます。)ではありませんが、組成業者が販売対象として想定するお客さまの属性(金融資産の状況、投資目的、リスク許容度、年齢等)に沿った勧誘販売態勢を整備します。
    4. (4)当行は、国内外の経済・金融・市場環境を踏まえグローバル基準で幅広い運用会社・保険会社等からお客さまのニーズに合った金融商品・サービスを厳選して取り揃えます。
    5. (5)当行では、厳選された商品ラインナップを整備するために新たな金融商品・サービスを導入するに際しては、当行が販売対象として想定するお客さまにとってふさわしい合理的な根拠のある商品であるか、次に掲げる事前検証を実施するなど厳正なプロセスに基づき取扱商品を選定します。
      1. 商品性、リスクの程度、仕組みの複雑さがお客さまにとって許容できる適正なものであるか
      2. 商品特性やリスクに対する期待リターンとの兼ね合いからお客さまがご負担する手数料その他費用が適正なものであるか
      3. 類似商品や代替商品ならびにパッケージ商品との比較(リスク、リターン、手数料等)
    6. (6)仕組みが複雑またはリスクが高い投資性金融商品については、その商品特性やお客さまの属性を踏まえ、お客さまにとってふさわしい金融商品・サービスをご提案できるよう事前に勧誘販売の適切性を判断します。なお、当行の判断により、特定の金融商品・サービスのご提案を控えさせていただく場合があります。
    7. (7)当行は、金融取引被害を受けやすいと考えられる、ご高齢のお客さまに投資性金融商品をご提案するに際しては、次のように慎重かつ丁寧に対応します。
      1. あらかじめ当行の役席者が、お客さまとの対話を通じて適合性や投資目的の把握に努めます。
      2. 安心してお取引いただけるよう、ご家族の同席のお願いや、お取引に関するご家族の同意状況について確認させていただきます。
      3. 即日での金融商品の販売を自粛する場合があります。
      4. 金融商品のお申込み時(約定時)に当行の役席者が同席するなどして個別の金融商品の内容についてご理解いただけたか、確認させていただきます。
    8. (8)お客さま本位のコンサルティングに必要な知識・スキルを従業員が習得できるよう、充実した行内教育・研修を実施します。
    9. (9)お客さまの金融リテラシー(金融に関する知識や情報を正しくご理解し主体的にご判断いただける能力)の向上に資するため、各種セミナーの開催および運用情報やマーケット情報の提供に努めます。
  6. 従業員に対する適切な動機づけの枠組み等
    本方針を促進するように設計された報酬・業績評価体系を整備するとともに、従業員研修その他の適切な動機づけの枠組みや適切なガバナンス体制の整備に努めます。
    また、以下の施策を通じて本方針が当行の規範として浸透するよう努めます。
    1. (1)常にお客さまの最善の利益を追求し、誠実・公正に業務を遂行するよう、行内教育・研修プログラムを整備します。
    2. (2)お客さまのニーズを的確に把握して最適な金融商品・サービスをご提案できるよう必要な知識を習得しコンサルティングスキルの向上を目指してFP2級以上の資格取得を推進します。
    3. (3)お客さまの中長期の資産形成とライフプランの実現を目指すとともに、当行の安定的な収益基盤を構築するという観点から預り資産残高の積上げや資産形成層の裾野拡大を重要な指標として位置付け業績評価体系を整備します。
    4. (4)また、業績評価にあたっては、コンプライアンスを前提にお客さまへの適切なコンサルティングやアフターケアに取組む誠実な営業姿勢等に基づき評価します。
    5. (5)お客さまからのご意見やご要望を幅広く真摯に受け止め経営に生かす取組みを推進し、お客さま満足度の向上を目指します。


「お客さま本位の業務運営に関する取組方針」に基づく取組状況について

重要情報シート